テディベアとの出会い

1995からテディベアに出会い、10年以上の歳月が流れました。幼い頃から私の写真には、様々なぬいぐるみたちと一緒に写ってる写真があります。

そしていつも私の周りには沢山の ぬいぐるみたちが私を囲んでいました。眠る時は、お布団の周りに沢山並べて眠り、その中で気に入ったぬいぐるみを抱いて眠る日々でした。

いつも、このぬいぐるみたちが動いて私とお話してくれないかな・・・。命が吹き込めたらいいのに・・・。そう考える子供でした。夜になって私が寝静まったら・・・動いているんじゃないかと、そ〜っとお布団の隙間からのぞいてみたりした事もあります。そんな子供でしたから、動物も大好き。

自然に可愛いお店に足を運び、そこで気に入ったぬいぐるみを抱えて帰りました。看護学生時代の寮生活においても、親元を離れてもいたのでぬいぐるみたちが、私を辛く厳しい学生生活も支えてくれていました。そして私は、看護師になりました。負けるもんか・・・逃げ出すもんか・・看護師になっても新米看護師時代は本当に辛い日々、目の前にある現実を受け止めていかないといけない。生と死の世界。

もっと何かをしてあげられなかったのだろうか・・・何をしてあげたらいいのだろう・・そういう葛藤の日々でした。それは、今でも現場に戻ると同じ気持ちに戻ります。・

でも、日々の中に必ず、私のそばには、クマに限らず様々な動物達が見守ってくれていました。大人になり、忙しい日々の中、ある日何気に入ったテディベアを扱うお店で 私が持っているものとは格段に違う高級な素材を使用されているテディベアというものを目にしました。

本当にリアルでその手触りに驚きました。様々な作家さんたちの思いが入っているせいでしょうか。大量生産とは違う温かさを感じました。

値段はすぐに手が出るものではありません。お店の方にも売約済みをしてもらって、払える時に気に入ったテディベアを購入しました。

そして、同時期にテディベアの講習にある講師を呼ぶので受講してみたらどうかという話をもらい、今まで、キット売りされているものなどで自分で作ってみたものの・・・やっぱりコツがつかめず、納得いく仕上がりに出来なかった事もあり、受講する事にしました。

もちろん材料費だけでも高いですが、それよりも作る楽しみがありました。トールペイントとのめりはりもあったと思います。

習いたいと思ってたコースを終了し、その後は自分で全部作りたい、そう思いました。自分だけのオリジナルの顔を持ったテディベアを作りたい。

そう思い、イメージの絵を描き、パズルのようにその絵からパーツのパターンを作りました。でも、なかなか思うようにならない。出来上がりの顔が違う・・もっとこうしたい・・そんな日々続きました。体のライン・頭のライン・鼻の高さ・・・。いくつも、失敗し・・やっぱり自分には作れないのかな・・と諦めた時に・・・自分の思い描いていた顔のテディベアが誕生しました。その時の喜びは大きかったです。

やっと出会えたね・・そういう気持ちでした。そうそう♪君に会いたかったんだよ。やっと会えた・・・。涙が思わず出てしまい。その子を抱きしめました。今その子は、友人のお宅にいます。この子のなまえも「しずく」

インフルエンザ脳炎で一年生に上がるまで後少しだった冬の夜・・・・6歳の命で亡くなりました。その友達の苦しみは計り知れるものではないです。彼女も看護師でしたから・・・。看護師をしていて自分の子を守れなかった・・・そう嘆き悲しみました。でも、当時は、インフルエンザ脳炎は治療するすべがなく・・。今だったら・・きっと助かったかもしれません。

ただ・・救いだったのは・・彼女に新たな命が芽生えた事。彼女が立ち直る一歩になりました。今は元気な男の子の2児の母です。旅立たれた子供は女の子だったので、新しいベビーシューズをはかせていた「しずく」が、きっと見守ってくれているものと信じています。

二人の男の子もお姉ちゃんの墓前に手を合わせる優しいお子様に成長され、彼女も看護師として復帰もされている生活だそうです。

テディベアを作っていると様々なその家庭のドラマにも遭遇します。オーダーにおけるものに対しての思いが伝わります。そして、お迎えして下さった方々の温かいメッセージに心から感謝しています。

私のテディベアは、何か言葉を話しそうな顔をしている。目がどことなくうるうるしている。後頭部が可愛い♪と様々なご意見があります。(爆)

作り続ける限り・・ドラマは生まれていく・・それが私の楽しみです。

テディベアを制作する時

私がテディベアを制作する時は、大好きな音楽を聴きながら制作しています。気分が苛立っている時には、作らないようにしています。

音楽のジャンルは、スクリーンミュージックであっり、ヒーリングのものであったり・・エンヤ・S.E.N.S・アンドレ/ギャニオン・時にはRPGゲームのバラードだけをセレクトしたMDだったりもします。海であったり山であったり、川のせせらぎであったり・・・お花畑だったり・・自分の中でのイメージを重ねて、ひと針・ひと針、縫っています。無の境地が一番かもしれません。テディベアの顔は素直に 心が作品に現れてしまう事に気が付いてしまってからは、平常心が一番だと思い心がけるようにしています。

イメージ作りに、心が動いた絵画展などには出向き、自然の中に出かけたり、ガラス細工のような美しいものを見つけたら、そのお店に入ってしまったりしています。美しいものに出会えた時、心が躍る感覚です。

人の出会いにおいても、その出会いで温かい気持ちになれた時、その気持ちを表したくなってしまいます。こんな色のこんな雰囲気のテディベアを作ってみよう♪っていう具合です。(爆)素材がなければ取り寄せてでも、形にしたくなる私です。

今後の制作について

東京などでは大きなイベントなどが多いのですが、参加するという事はまずありません。一時期、近畿圏内などには、参加などもしていましたが、搬送・搬入など時間において、大変だった事もあり、今は自宅にてマイペースな、活動のみをしております。この方が性に合うようです。

もっともっと、何かできないかな・・そう思いつつ、手がけた事のない動物なども少しずつ増やし始めました。これからも、ふと・・人生を振り返った時・・・共に過ごしてきたテディベアが、私のテディベアであってもらえたら、それ以上の幸せはないものと思っております。

私が連れて歩くティアー君のように、持ち歩けるサイズのテディベアですから、一緒にお供させてもらって、沢山のご家庭に可愛がってもらえたらと願っています。ご家庭で、おとなしく座っているテディベアではなく、どんどん、一緒に行動してみてください。

お部屋の中での、 綺麗なままのテディベアではなく、汚れさえもお出かけの思い出になります。いつも、一緒・・・それがテディベアの役目です。そしてテディベアの目線でのお写真も撮ってみてください。きっと小さな自然の美しさにも気が付きますよ。(*^_^*)目はグラスアイですが、強くぶつけたりしない限り、割れないものであると、私自身も、一緒にお出かけして感じています。

SHIZUKUは、家族の一員としてお迎えして下さるご家庭に、作品をこれからも、継続して作り続けたいと思いますので、どうぞ応援宜しくお願い致します。